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再生医療の現状−2

心臓:心臓治療については細胞シートを患部に貼りつけることにより、細胞シートの細胞と弱った心臓の細胞が一体化して心臓を強化することが認められている。大阪大学では再生医療により心臓治療を行っており数多くの成功例がある。また、慶大では骨髄の間葉系幹細胞より心筋細胞に分化させたものは自律拍動し、試験管内で規則的拍動を行うことも明らかにしている。

骨:産業技術総合研究所では骨髄中の間葉系幹細胞を培養し、骨芽細胞に分化させ骨組織を構築し患者に移植する治療を行っている。

軟骨:日本には変形性膝関節症の患者が多く、最終的な治療方法としては人工骨を埋め込むことが行われているが、患者の正常部位の軟骨を採取し培養して患部に注入することにより軟骨が再生することが認められており既にジャパン・ティッシュ・エンジニアリングにより事業化されている。

角膜:角膜移植は一般的に行われているが、ドナーの数が圧倒的に少なく、角膜を作ることが必要とされる。他人の組織より作製した角膜を移植する場合と患者本人の口の中の粘膜細胞を細胞シートにして移植する手術が成功している。

網膜:胎児網膜由来神経幹細胞とES細胞からは網膜に分化することが判明しており、網膜細胞移植により網膜の治療が可能になる。理研はiPS細胞による加齢黄斑変性治療について厚労省より了承取り付けた

聴覚:海馬由来の神経幹細胞が聴覚の有毛細胞層上に生着したことが確認されているので、動物実験段階ではあるが将来は人間の聴覚正常化に結びつくことが期待される。

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