(HPへ)





究極の予防医療、運動

運動については健康な体の維持に欠かせないことは昔から良く知られているが、最近になりその理由が科学的に解明されつつある。運動のメリットとしては脳の活性化、記憶力の増加、免疫力の強化などがある。この為に10代、20代にスポーツと勉学を両立させることが重要になる。

脳の活性化
1.運動により筋肉からBDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌され、血流で脳内へ運ばれて、脳を活性化させると海馬の神経細胞同士がお互いに手を伸ばして繋がりネットワークが新たに作られる。記憶力の改善により認知症を予防する。
2.歩くことにより心臓から血流を流すだけでなく、足の筋肉から戻すことが脳血流を良くする。青竹踏みも同様の効果がある。
3.ストレッチで体を動かすことによって全身の血流が改善するので、脳の反応速度が向上、体だけでなく脳を含めた全身のリフレッシュ効果がある。特に肩甲骨周りを柔らかくすることで脳年齢を若返らせる。

筋肉の増強
1.インターバル速歩(ゆっくり歩き3分と速歩3分を5セット)
2.スキップで飛び跳ねると下腹部の臓器を支える骨盤底筋が強化される。
3.週2回の筋トレより毎日の階段の上り下りが筋肉強化に有効。インナーマッスルを鍛えるには階段を1段飛ばしで上がる。
4.高齢者は若者に比べて同じ筋肉を増強するためには2倍のタンパク質が必要で、朝食に卵2個、牛乳1杯が望ましい。タンパク質を多く摂らないと筋肉が減少してしまう。

骨の強化
1.ウォーキングやジョギングなどにより骨に衝撃を与えると骨の細胞ネットワークが活性化して骨ホルモンが分泌される。
2.骨は骨芽細胞により骨の量を増やし、破骨細胞により骨の量を減らす。この骨の量をコントロールするのがスクレロスチン。これをコントロールすることにより骨粗鬆症を抑えられる。骨芽細胞がつくるコラーゲンは皮膚組織と同じ種類、皺の数と相関が高いというデータがある。
3.骨が健康な状態である限り、骨からのメッセージで体の臓器の若さは保たれ、骨が弱ると骨からのメッセージ物質が減り老化現象が進行する。
4.骨からのメッセージ物質の放出は記憶力、免疫力、精力、筋力にも関係する。骨からのオステオカルシンが神経細胞の結合を維持させ記憶、認知機能を改善させる。骨からオステオポンチンが出ると免疫細胞の量が増加する。オステオカルシンにはテストステロンという男性ホルモンを増やす働きがある。

血流の改善
1.足を動かすと第2の心臓と呼ばれるふくらはぎにより全身の血流が増加する。約95CMのタオルを使って、伸びる、曲げる、ねじる、回す、弾む体操を行うと体がまわしやすい。血行がよくなり肩こりが解消。
2.筋肉が増えて基礎体温が高いと血の巡りが良くなるので、冷え性が改善 されて肩こりや腰痛にもなりにくい。

脂肪分解、
1.柔らかくて進展性のある筋肉は酸素と一緒に脂肪を燃焼、脂肪を燃焼しているのが細胞中のミトコンドリア、ミトコンドリアはがんを抑制して死滅させる。
2.筋肉を動かしたときに筋肉からでる物質、マイオカインが脂肪分解、血糖値改善、血圧低下、肌の若返りになる。
3.朝は糖分が睡眠中に燃焼されて少ない為に朝食前にジョギングを20分以上運動すると脂肪分の燃焼が進む。

血糖値改善
1.インスリンがなくてもAMPキナーゼが筋肉の細胞の中から働きかけて血液中の糖分を抜き取ってくれる。
2.50%の力で20分ぐらい運動するとAMPキナーゼが活性化する。
3.ステップエクササイズは体の中で大きい太ももの筋肉を使う為にAMPキナーゼを効率よく活性化する。エアロビクスも全身の筋肉を使う有酸素運動のためAMPキナーゼを効率よく活性化させる。

骨格の矯正
1.普段の生活でズレやゆがみをため込んでいる。歩くことで約300の筋肉が動く、効率の良い全身運動。
2.体のズレやゆがみのカギは筋膜、筋膜はボディスーツのように全身を覆っている。正しい歩き方で筋膜の堅さをほぐす。
3.足首が凝り固まるとクッションの機能が失われ全身のバランスが崩れて体が硬くなる。足首を柔らかくする為には右手で足の指先を大きく回しなが ら同時に左手でカカトを回す。これにより脛の骨が動き、膝の関節までストレッチ出来る。足首は神経の経路になっており、足首が柔らかくなってくると内臓が活発に動いて、消化器系、泌尿器系、肝臓、胆のう活性に関係する。


,ライフサイエンス目次へ