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人類の歴史と食物(写真:NHKヒューマニエンス)

人類の祖先は海から陸へ、陸へ上がったのちには、猿人、原人、旧人、新人へと変化してきたが、これらの変化は現在の人類の食事に影響しているとの説がある。

すなわち、現在の糖質を主食とすることは、農耕社会が始まって以来になるので、農耕社会の本格化の始まりは、10,000年前から8000年前になり、人類の起源が700万年前になることを考えると、人間の体が農耕社会以降に大きく変化してきたとは考えにくく、糖質中心の食事からタンパク質中心の食事へと戻した方が良いという説である。

このことから、体内においてはエネルギーを糖質を燃料とするものから、脂質を燃料とするケトン体質の方が望ましいということになる。

この様な考え方を更に突き詰めると、現在の人類がイワシ、サバ、ワカメ、メカブなどを食することが体に良いのは人類の起源に理由があるのかもしれない。

哺乳動物が誕生する際に、受精卵から胚細胞へ、更に分化して体各部の機能を持つ子へと変化する際に、その初期に魚のえらのような裂け目が出来て(鰓裂:さいれつ)、それがすぐにふさがってしまうことから哺乳類が魚類を経て進化した証拠とも言われる。(個体発生は系統発生を繰り返す)

更に最近になりヤムイモ(山芋、自然薯)、ナッツ(アーモンド、クルミ)などが推奨されるのも、人類が他の動物を狩猟出来る前は、これらが食の中心であったこととつながっているのかも知れない。

もっとも、人類の平均寿命が100歳になる最近では、極端な栄養素の偏りは体を悪くする原因になる為に、出来る限り多様な、蛋白質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルを万遍無く摂ることが推奨されている。食事には「ま(豆)、ご(ごま)、わ(わかめ)、や(野菜)、さ(魚)、し(しいたけ)、い(いも)」をもう一度見直して全部をカバーする食事を毎日摂るようにしたい。


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