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地裁の廊下(2:地裁、高裁編)- - - 公正、信義誠実を守る判決を求めて- - -

地裁の廊下(1:簡裁、地裁編)

I.中高生、大学生、社会人の方々へ

裁判所は国民に開かれた場所で、誰でも裁判の傍聴に参加することが出来る。地裁でも高裁でも入口の身体検査を通過して、ロビーにあるモニターを操作すると、時間帯、裁判の内容等を簡単に見ることが出来るので、その部屋へ直行すればよく、裁判所の職員は親切丁寧に疑問に答えてくれる。裁判の傍聴をすると当事者の人生の断面が見えて他人の人生とは何かを学ぶことが出来る。

裁判官は常時200件以上の事件を抱えていると言われ、書類を読むだけで事件の全体像を把握し、論争のポイントを理解して、判断を下す為に優秀な人間でなければ務まらない。下級裁判所の裁判官の任期は10年で、最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命する。最近政府が人事権を通して官僚へ圧力をかけてくることが問題になっているので、内閣が任命することで司法権の独立が本当に守られているのか心配になる。学術会議も同様の形であるが、政府の任命拒否のままで解決していない。

裁判官は弁護士に転職する場合が多い為に、裁判で相対する弁護士が将来の自分の雇い主になる、あるいは同業の先輩になる可能性があるので、弁護士が大手事務所か、古参で弁護士業界の顔役であるかを考えざるを得ない。弁護士になる可能性があることで、裁判官と弁護士で仲間意識が出てくる。

II.法曹関係の方々へ。

下記の事件について社会の一般常識と裁判所の判断に大きな乖離があると思いますので、ご検討戴ければ幸いです。地裁の書記官殿より裁判に詳しい人に相談したらとのアドバイスもありましたので。

令和3年(ツ)第35号、請負報酬請求上告事件(原審・東京地方裁判所令和2年(レ)第136号)

1.地裁の口頭弁論と判決

控訴内容

第三者より提出された本裁判唯一の証拠が提出され(控訴理由書および添付書類乙第4、5,6号証ご参照)、自然法則に基づいて工事業者の主張が有り得ないことが立証された。工事業者側からもこれに対する反論は控訴答弁書に記載されておらず、また口頭弁論においても「反論はありません」と言っており、「自白」になる。

口頭弁論において、裁判長は水漏れは工事業者の主張とは別の原因であることを認めている。

しかしながら、口頭弁論内容を証する地裁の調書には「自白」には全く触れていない為に調書の記載に関する異議申立書、同(2)に自白の事実があることを含めて詳しい口頭弁論内容を提出した。

事件内容:工事業者の主張は水道管が経年変化により劣化して水漏れが起きた為に水道管を取り換えた。一方第三者の証拠によると水漏れは恒常的なものではなく上階の住人が入浴した2回の日時以外には水漏れは発生していない。従って水漏れは入浴の際に起きた漏水であり、2回の前後その間の漏水はなく、水道管を取り換える必要はない。

判決:控訴内容は無効(棄却)。

問題点としては、判決には口頭弁論内容が全く反映されていない。工事以降は水漏れが無いとの理由で棄却しているが、水漏れが起きた2回以外の前後、その間は水漏れが起きていないので意味不明な理由付けになる。口頭弁論では上階からの入浴時の水漏れであることを裁判長自身が認めたのに対し、判決ではこの発言と矛盾する内容になっている。

また、第三者より提供された裁判に重要な影響を与える証拠を無視しているおり、その理由を判決書に書かれていない。(民訴253状違反:書証の記載や体裁からその記載通りの事実を認めるべき場合に、何ら理由を示すことなくその書証を排斥することは理由不備の違法となる)

2.高裁への上告内容と判決

今回の事件では、簡裁・地裁の後で高裁は3審になるので、法律審と呼ばれる法令違反の有無を判断する裁判になる。

上告内容

上告理由書記載内容は、1)簡裁において当事者の主張していない内容を主張しているとしている。(民訴246条違反)、2)地裁判決は簡裁判決が法令違反であることに触れていない。(民訴305条違反)。3)相手方の主張に反論しないことは自白になる。(民訴159条)、4)被控訴人は証拠に対する反論を控訴答弁書にしていない。単に担当者の従来の主張を繰り返したのみ。(民訴161条違反:準備書面には相手方の請求および防御に対する陳述をしなければならない、民訴規則79条違反:準備書面において相手方の主張する事実を否認する場合はその理由を記載しなければならない、民訴規則80条違反:答弁書には訴状に記載された事実に対する認否及び抗弁事実を具体的に記載)、5)地裁の口頭弁論調書に「自白」を記載していない。(民訴規則67条違反)。上記の如く、民訴246条、305条、159条、161条、規則79条、規則80条、規則67条と7つの法令違反を犯しているのであるから地裁の判決は再審されるべきである。

高裁の判決

上告は無効(棄却)

問題点としては、上告は法律審であるにも関わらず法令違反について意見を避けて全く記述が無い。また、判決に重要な影響を与える証拠については、取り上げるかどうかは裁判官の裁量範囲であるとして上告は無効の言渡しがあった。

これは民訴第2条(裁判所は、民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は信義に従い、誠実に民事訴訟を追行しなければならない。)違反と言える。

III.裁判官の方々へ

上記の如く簡裁・地裁・高裁で裁判官の方々が多数の法令違反を犯しています。

例えば、法律審である高裁判決には法令違反に関する記述が全く無く、上告の棄却がなされていますが、今回のように裁判官が多数の法令違反を犯しても何故罰せられないのでしょうか。

国民全てが法令違反をしたときは罰せられることを了解して法令に従っています。裁判官だけが法令に従わなくても良い理由があるのでしょうか。

法令違反の内容は、(- - - をしてはならない。)に対して(- - - している。)。また( - - -しなければならない。)に対して(- - - していない。)という内容で、法令違反であるかないかの議論の余地はありません。

裁判所では裁判官の方々が努力して検討された結果、日々公正で正しい判決が出されていることは良く理解しています。しかしながら、本事件だけは多数の法令違反が出てくるのは何故でしょうか、裁判所も他の官庁の如く政府の圧力に負けたのかと心配しています。裁判所は他の官庁と異なり、国民の最終的な拠り所でありますので。

IV。確定判決の騙取と不法行為

民事訴訟法違反、第1編、第5章、既判力の範囲、第114条、21- - - - 虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔するなどの不正な行為を行い、その結果、本来ありうべからざる内容の確定判決を取得してこれを執行し、被告に損害を与えたものであるときは、原告の行為は不法行為を構成するものであって、被告は右確定判決に対して再審の訴えをするまでもなく、原告に対し、損害の賠償を請求することを妨げない。

刑法第246条、人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたものも、同項と同様とする。

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