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日本経済は何処に向かって行くのか、その対応策

1) 政府がやるべき2つのこと

なぜ日本政府はこれほど野放図に借金出来るのか?アベノミクスと異次元金融緩和を継続し、日本銀行が事実上の財政ファイナンス(財政赤字を穴埋めするために中央銀行が国債などを直接引き受けること)を行っているからだ。しかし、これまた「出口」はない。- - - -

日本が経済を立て直して財政を健全化する方策は2つしかない。1つは、ガソリン補助金や詐欺の餌食になった新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金のような無駄遣いをしないこと。もう1つは、国債の償還を借り換え・繰り延べでごまかして負担を子や孫に先送りしないことだ。- - - - -

翻って、愚策だらけの「新しい資本主義」では日本経済を立て直して財政赤字を改善することは出来ない。借金という十字架を背負って生まれてくる赤ちゃんのことを考えず、次の選挙の為に予算をばら撒く悪習は、直ちに止めてもらいたい。さもなければ、もし岸田政権が次の国政選挙まで3年続いたとしても、それは日本経済にとって「黄金の3年間」ではなく「暗黒の3年」になるだろう。(大前研一、news.yahoo.co.jp)


2) 日本人が日本株を買わなくなった。

コロナ禍で広がった現役世代の「貯蓄から投資へ」もお金の向かう先はもっぱら米国を中心とする海外株だ。巨額の利益を稼ぐ米ハイテク企業と比べると日本企業の成長ストーリーは色あせて見える。日本株を支えた日銀や公的年金の買いも今後は細り、いずれ売りに回る。このままでは買い手が誰もいなくなる。(日経2021/12/20)

3) 防衛費増額3税財源に、法人・所得・たばこ税

政府や自民党内では増税を掲げる岸田文雄首相に対する反発が続く。閣内では高市早苗経済安全保障省や西村康稔経済産業省が賃上げへの影響などを念頭に慎重論を唱える。自民党内でも安倍派を中心に増税自体に反対する声が相次いでいる。(日経 2022/12/15)

4)日本は何処に向かっているのか:

上記の記事を見ても分かるように、日本は借金を積み重ねて、ばら撒きを続けてきた。その結果日本の産業の新陳代謝を止めて、人間の体と同じく老化細胞を数多く残し、日本の老化を進め、日本企業全体として競争力を落とし、日本人が日本の企業を見放して米国企業の株を買うようになった。この様な状況を岸田首相が漸く認識した為か年末になり突然に防衛費を理由にして増税が必要と主張して来た。

これからの日本は長期にわたり、過去の借金の積み重ねを返す為に増税で苦しむことになり、消費者物価は未だ企業のコストアップ(円安による輸入価格の上昇、ウクライナ戦争によるエネルギー・小麦などの食料価格の上昇)の全部を反映していない為に今後共に上昇する、スタグフレーション(経済活動の停滞と物価の持続的な上昇が併存する)が続く。

日本の産業ではインバウンドによる観光関連が伸びる一方で、国民の消費が全般的に落ち、外食の低迷と、国民がより低価格の商品を選好することで産業全般が低迷し、不動産価格は長期の低落傾向になる。日本の株式市場は政府による買い支えで現在の価格が維持されている為に、ガラが来る前に売って資産に変えておく方が良い。政府が増税を言い出したように、不自然な経済体制は遠からず修正されざるを得ない。

5)今後の対応策:

あらゆるコストの見直しをして家計の縮小を図る。郊外に家を移して畑を造り自分の食料は自分で作るなどが必要になる。将来への積立よりも家の修理などをして、これからの長期にわたる不景気に備えることが各家庭における将来計画の基本になる。

参考: 2020年:
急激なインフレの可能性に対してどう対応すべきか、2019年:
日本の財政と我々の生活、2018年:
日本の財政上の問題点


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