貨幣博物館は日銀本店の分館内にあり日本橋三越と日銀本店に隣り合った位置にある。
貨幣博物館では日本の貨幣はどう利用され始めたのか、どんな貨幣が流通したのかなどが展示により説明されていると同時に金融政策の移り変わりについても説明がなされている。
最近の日本人にとっての関心事は日本の巨額の債務の積み重ねが今後我々の生活にどう影響していくかであろう。ある専門家はハイパーインフレにより貨幣価値が暴落すると説明し、別の専門家は当面心配することは無いと説明している。
2016年の対GDP比債務残高の国際比較(OECD 2015年11月)
日本 232.4、ギリシャ 200.0、
イタリア159.9
日銀保有の日本国債は2016年3月末には発行残高の33.9%になり、今後2年以内に50%を超えることが予想されている。現在日本国債が市場で価格を維持している理由は日銀が絶え間なく買っていることにあり、日銀保有が50%を超えて日本国債は市場性がないと世界の投資家から見られると、日本国債は暴落してジャンク債になる可能性がある。このようなジャンク債を50%以上保有する日銀の発行する円紙幣は世界で信用されなくなり円も暴落する。
但し、日本国債の場合は買い取り先が邦銀になり、邦銀より日銀が大量に買い付けている形になる。邦銀は日本人の預金を原資として日銀に呼応して日本国債を買い続けているが、預金そのものが減り続けている為にこの体制も永く続かず世界の投資家に日本国債を売ることになる。しかしながら、世界の投資家は日本国債を信用せず上記の考えより国債の暴落が始まる可能性が高い。三菱東京UFJは国債引き受けを条件とするプライマリーディーラーより降りて日銀より裏切り行為だと言われている。
これまで外資系ファンドは何度か日本国債の売りを仕掛けてきたが、全部失敗している。しかしながら、日本国債が暴落するとすれば、きっかけは市場における外資系ファンドの売り崩しで、これに政府が支えきれないと考える金融機関が手持ち国債を売ることから始まる。
暴落した円を建て直す為に政府が取る政策としては、預金封鎖をし、デノミ後新円を発行し、財産税の新設により収入を増加させて短期間に財政を均衡させる方策になる。
銀行の金利低下や取扱い手数料の高さを考え、また財産隠しの為に金庫が売れているという話もあるが、金庫に現金を積み上げることは万が一を考えると勧められない。
貨幣博物館の資料によると日本では実際にハイパーインフレが起こり政府の統制によりそれまで流通していた紙幣の利用が出来なくなったことがある。1944年日本国債の発行高残高が国内総生産の2倍になり償還不能となり、財産税の新設と預金封鎖が行われた。小額紙幣を除き5円以上の紙幣は金融機関に納入するように強制され、それまで流通していた紙幣は利用できなくなり、ほとんど無価値になった。この後のドッジラインの緊縮政策と朝鮮戦争の特需により日本経済は立ち直ったが、現代の日本経済はどう立ち直るのか道筋は全く見えない状況にある。
円の暴落は何時始まるのか、この予兆を見るには市中の両替屋の動向を絶えずウオッチする必要がある。円ドル換算レートが徐々に変化してある時期より円の暴落が顕著になる。この時期になると100ドルなどの高額紙幣は特に取り合いになる。これは海外に逃げる場合、ドルを隠す場合に便利な為でこれが始まると暴落は間違いない。
何故市中の両替屋になるかというと、市中銀行は政府規制により換算レートをコントロールされる為に、公定レートは表示するが、実際には円での他の外貨への両替は受け付けなくなり、円の実際の価値を反映しなくなるからである。
為替以外に問題があるのは日本の株式である。政府はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を通じて日経平均ETFを巨額に購入し続けており市場価格は高く維持されているが、いつまでも購入し続けることは出来ないので、国債と同様に暴落する可能性がある。暴落は円より株式の方が先になるかもしれない。
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