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ウイーン美術史美術館所蔵、静物画の秘密展、

《春・愛》
ネーデルラントの画家
1600年頃、油彩・キャンヴァス

c)Kunsthistorisches Museum Wien, Gemaeldegalerie, Vienna 
禁複製



2008年7月2日(水)-9月15日(月・祝)ウイーン美術史美術館所蔵、静物画の秘密展、国立新美術館

《薔薇色の衣裳のマルガリータ王女》《花市場・春》《青い花瓶の花束》《春・愛》

宗教・季節・自然と静物

季節の表現としての「四季図」や、暦として一年の12ヶ月をそれぞれに表現する「月歴図」においては、春夏秋冬の季節の花や植物、あるいは動物を描くことが最も端的なその時節の表現となっていました。たとえば5月の薔薇、6月の小麦、9月の葡萄、12月の狩猟の獲物などです。また、自然についてより深く考察する古代以来の伝統から、万物の根源をなす究極的要素を土・空気・火・水とみなす、いわゆる四大元素の表現も、季節の表現やそれを司る神々の像と結びつけられて興味深い展開を示すのですが、ここでも、花や果実、動物が重要な役割を演じています。イタリアにおいて「マッツォ・ディ・フィオーリ」と呼ばれていた花綵や果実の束は、視覚的な華やかさ豊かさによって教会堂や宮殿の装飾となり、生命力を鼓舞するものとして、さらには、夢見られる楽園での永遠の生命を約束するものとしての宗教的な意味から愛好されていましたが、これが絵画世界に導入されると、「カルトゥシュ」と呼ばれる花飾りの枠縁となって、中心に描かれた人物や器物に特別な意味を与えることとなります。あるネーデルラントの画家の作品《春:愛》では、春の女神ヴィーナスの代わりにその恋人のマルスが描き出され、楽器を手にしてこの世の春と愛の歌を奏でています。様々な楽器が天上的な愛を地上のものとして具現化させているのです。



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