赤坂見附駅近くの外堀通りから麹町大通り（新宿通り）にかけては江戸時代に紀伊和歌山藩徳川家、尾張名古屋藩徳川家、近江彦根藩井伊家の屋敷があったことから紀尾井町と呼ばれている。

紀伊和歌山藩の屋敷は現在のグランドプリンス赤坂と清水谷公園になり、尾張名古屋藩の屋敷は上智大学へ、近江彦根藩の屋敷はニューオータニとなって、その広さは江戸時代と変わっていない。

これらの大名屋敷は江戸城の外濠より出る赤坂御門と四谷御門を守る重要な場所だっただけに徳川家または徳川家に近い藩に広く取られたが、幾多の経緯を経て現在の姿になっている。所有者の移り変わりは徳川幕府の崩壊、大政奉還、終戦、華族制度の廃止、事業家の台頭という移り変わりを反映したもので、その歴史的背景は興味深いものとなっている。

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