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国立新美術館


2008年7月2日(水)-9月15日(月・祝)ウイーン美術史美術館所蔵、静物画の秘密展、国立新美術館、

《薔薇色の衣裳のマルガリータ王女》《花市場・春》《青い花瓶の花束》《春・愛》

観覧料、当日料金:一般1500円、大学生1200円、高校生700円、前売料金:一般1300円、大学生1000円、高校生500円、団体料金:一般1200円、大学生900円、高校生500円

わたしたちは太古の昔以来、花の咲くのを楽しみ、果実の実るのを悦んで来ました。神話やキリスト教の絵画のなかにもそれを確かめることができます。16世紀の末になると、このような花や果実、そしてまた、人々の生活を彩る食器や調度は、風俗画のなかから次第に独立してゆくかたちで、それ自身の魅力を示し始めることになります。花の美しさ、果実のみずみずしさ、調度類の華麗豪華さが、それぞれに美術の主題となってくるのでした。

「静物画」の成立です。ブリューゲルの花、デ・ヘームの果実、バスケニスの楽器、これらが独特の魅力を発して大いに愛好されることとなってきます。しかし、「静物」「still life」とは「黙した生命」のことです。この言葉はきわめて暗示的でしょう。わたしたちが、静物画を見て「花の命」、「果実の魂」というがごとく、ごく単純なことを想うとき、この美術は実は大変に深い意味を伝えているのではないでしょうか。そこには、永劫の命の輝きとともに予感される死の影もあるからです。花も果実も切り取られた命である故に、今ここにおいては、至極の美しさと存在感をもって現れます。この両極のはざまには、宇宙の神秘、生命の神秘を垣間見るがごとき深い何かが直観されるのです。透明のグラスを抜けてゆく光、純白に反射する光、ここにさえわたしたちは永劫と儚さとを見、この意識の流れのなかに自己の生きていることを実感するのでしょう。これは幸せなことです。ベラスケスの描いた「薔薇色の衣裳のマルガリータ王女」のなかにみられるピンクの薔薇とグラスの輝きの綺麗さ。また静物画はときに、スペインの奇才デ・ペレタの傑作「静物:虚栄(ヴァニタス)」のごとく、「死を想えよ」とわたしたちを牽制するのです。

この展覧会では、「静物画の秘密」を主題として、風俗画、静物画、寓意画にもおよぶ多様な展開の跡をたどることとなります。


国立新美術館へは千代田線乃木坂駅6番出口より直接入館可能、東京ミッドタウン、六本木ヒルズよりは、地図乃木坂-国立新美術館地図六本木ヒルズ-国立新美術館地図六本木ヒルズ-東京ミッドタウン−国立新美術館


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